花弁

どんどん ひどい顔に なっている

きっとひとには 醜く うつってる

腫れぼったいような 重い瞳

ほそぼそとなっていく するどい一重

色を失い散る はなびら

 

胸いっぱいに 死の香り

まごうことなき きみの翳り

たった ひとり分のだるい体重で

足がまっすぐ伸びなくて歩けない

道端に落ちた はなびら

 

ああ

風よ ひとよ 散りゆく白さよ

なにも どれも 

そんな 荒れ狂わないで

ちゃんとめぐっていないはずの

わたしの血が

ぷしゅっとあふれた はなびら

 

あああ

かわいくない 顔面には似合わない

なんか 今日は

なみだ かわいそうだ

こんなままじゃ だめだと

言い切ってくれない海で

青い空に舞い散る はなびら